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50年愛される作品の強度「バロン吉元の脈脈脈」展

ライター:キャラクターランド編集部:今秀生
2016年3月22日更新

 トーキョーワンダーサイト本郷において「バロン吉元の脈脈脈」展が開催中だ。

 実娘でありアーティストのエ☆ミリー吉元が企画したこの原画展は、バロン吉元の1959年デビュー前の習作から、代表作「柔侠伝」シリーズや数々の連載作品、短編の生原稿、龍まんじ名義で発表した絵画などキャリアを包括して見渡すことができる、非常に見応えのある展示になっている。おそらく大量にあったであろうマンガの原稿からは、魅力的なキャラクターの絵、恐ろしく迫力のある背景、物語を想起させる扉絵、美しいカラーイラストなどが厳選され、さらに龍まんじの名で描かれた巨大な近作の絵画が並ぶ。
 会期中には「バロンの解剖学会」と題されたイベントが4回開催され、それぞれ荒俣宏、都築響一、山下裕二、山田参助を相手にバロン吉元が様々なトークを繰り広げ、集まった多くのファンを喜ばせた。
 写真は3/20に行われた、「あれよ星屑」で人気のマンガ家・山田参助とのトークイベントの様子だ。山田はバロン吉元のかなり熱心なファンで、当日はバロン吉元作品から「お気に入り」「ギャグ」「セクシー」「歌」「顔」とテーマ別にコマをスキャンした画像を用意、それを元にバロン吉元本人から創作の秘密を聞き出すというスリリングなトークを展開した。特にバロン吉元の描く人物の横顔の眉毛についての考察はマンガ家ならではの鋭いモノで、バロン吉元自身が「思ってもみなかった!すごいね!」と感心。また「後家」や「容姿が個性的な女性」などバロン吉元作品を楽しむためのキーワードの話では度々場内が爆笑に包まれ、大変な盛り上がりだった。
 劇画が大ブームとなった1970年代からすでに50年近くが経とうとしているにも関わらず、近年は特にその時代に人気を集めた作家の原画展やイベントが企画され、多くの人を集めている。当時の読者がいまなおファンであり続けているのも凄いことだが、リアルタイムで体験していない人が新たなファンとなり、50年前に描かれた作品や絵を楽しんでいる状況は特筆すべきことだろう。それはひとえに、作品の持つ強度の所為ではないだろうか。人間を描き、誰もしていない表現に挑み、世界を煽りつつ自身も熱中し、読者のどこか心に灯を燈す、そういう作品だったからこそ、時代を超えて愛される強度を持ち得たのだと思う。バロン吉元作品の強度を感じに、ぜひ足を運んでみてもらいたい。3/27まで。

※電脳マヴォではバロン吉元が1970年前半に描いた短編シリーズ「十七歳」が無料で公開されている。こちらもぜひ!
http://mavo.takekuma.jp/title.php?title=60



<展覧会概要>
バロン吉元の脈脈脈
第9回展覧会企画公募

会 期: 開催中〜2016年03月27日(日)
休館日: 3/22(火)
時 間: 11:00 - 19:00(入場は18:30まで)
入場料: 無料
主 催: 公益財団法人東京都歴史文化財団 トーキョーワンダーサイト
会 場: トーキョーワンダーサイト本郷 スペースB
アーティスト: バロン吉元
企画者:エ☆ミリー吉元

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